山口県生協連役職員研修会を開催しました

2018年1月25日、山口県労働者福祉会館にて2017年度第2回役職員研修会を開催しました。参加人数65名、開催時間は12:30~14:00

今回は講師に山口大学国際総合科学部准教授 小川仁志氏をお招きし、
生協のための哲学思考~公共性の揺らぎの中で考える~」という題で講演していただきました。
  生協連の有吉会長は、哲学というと難しそうですが、公共哲学を考えるというテーマなので私たち生協がしてきた、お互いに助け合う共助や暮らしを良くする活動に新しい考え方やヒントをいただけるのではないかと挨拶をしました。
  小川先生は京都大学法学部を卒業後、商社や名古屋市役所などで仕事をされてきましたが、人生の迷いの中で哲学に出会われて現在に至っているそうです。共に語り合う「哲学カフェ」を主宰されたりテレビにも出演されています。哲学の普及のため・哲学は人の暮らしに役立つという思いから著書も多数です。

 (講演概要)
  哲学とはものごとの本質を探究することで、その思考過程こそが自分にプラスになります。考えることをしないでいると、結果的に失敗につながったりします。物の見方を変える、疑ってみる、情報を集め関連させ、整理し、普遍化するというプロセスが人生や社会の意味を自ら創造し変えることができる。更に、自問自答、人の話をよく聴き、異質なものを切り捨てるのではなく、敢えて取り込んで発展させるということが大切です。
  公共哲学とは「私」と「社会」のつなぎ方を探究することで、「活私開公」=自分を活かして社会に関わり社会を変えるということが大切です。活動し公共に携わることで人は考えるようになります。人の話をよく聞く、否定しない、難しい言葉を使わないといった「熟議」による開かれた議論により自分は変わっていきます。
  では哲学の考え方から生協がやれること、やるべきことは何かというと、①隣にそっと寄り添う「となり性」、寄り添ってくれて助けてもらえることを伝える。②生協をとりまく「知」(感情の知、モノの知、テクノロジーの知、共同性の知)を上手く使って進化させていく。③現状の行き詰まりをプラグマティズム(原理原則にこだわらずまずはやってみる。うまくいけばそれでいい、うまくいかなければ改良すればいいという考え)の考え方により乗り越え進める。

 最後に哲学で自分、職場、社会が変わることを気付いてもらえたら嬉しいと述べられました。

参加者のアンケートより「将来の生協を考察するにあたって良いヒントをいただいた」「考え方1つ変えることで、モノに対する見方がかわることが発見できた」「起案や企画をする部署にいるので、哲学の具体的なやり方や生協のやれることや、やるべきことの3つの視点を参考に物事を考えていきたい。」などの感想が出されました。