山口県生協連通常総会では、役員改選がない隔年毎に会員生協より活動報告をしていただいています。今年の総会では、医療生活協同組合健文会と下関市立大学生活協同組合より報告をしていただきました。
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【大学を取り巻く情勢の変化と求められる大学生協の価値】
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報告をする樋口真一さん
(下関市立大学生活協同組合、水産大学校生活協同組合、
梅光学院大学生活協同組合 店長)
樋口 真一 さん
大学を取り巻く現状と学生の現状は
今、大学は大きな転換期を迎えています。少子化の問題は深刻で、2018年には入学希望者総数が入学定員総数を下回る本格的な全入時代を迎えます。大学は生き残りをかけて様々な改革を進めています。 大学生協組合員(学生)の暮らしもこの10年近くで大きく変わりました。大学生協連で毎年実施している学生生活実態調査にもとづきますと、仕送り額は減少、それに伴いアルバイトや奨学金は増加し、食費は節約され、欠食の増加などが見受けられます。勉学面においては学生の読書離れが深刻で、1日の読書時間0分と答えた学生が40%を超えています。また、学生生活の不安では、ほとんどが就職に対しての不安となっています。
大学生協の取り組み
これらの大学の変化と学生の暮らしの変化を受けて、大学生協の事業もこの10年間で大きく変わりました。食生活においてはミールカードの仕組みを導入しています。下関市立大学生協や梅光学院大学生協でも導入しています。食費を気にせずきちんと食べられる、豊富なメニューで充実した食生活、保護者にも履歴が届くといったメリットがあります。読書の問題については、「リーディングリスト運動」を開始しました。
*「リーディングリスト運動」:下関市立大学生協では「まずは年間10冊から始めよう」と、毎月おすすめ本を受け取ることができる読書サポートの取り組みを開始しています。
また大学生協は多岐にわたり学生の学びと成長を支援する事業を行っています。下関市立大学生協では1年生の頃から様々な社会体験を積むことで、社会人基礎力を身につけて自信を持って社会に出発できるように支援する「学び成長出発プログラム」というキャリア形成支援事業も行っています。時には大きな投資も必要です。梅光学院大学生協では1000万円の投資をし、食堂の改装を行いました。
これからの大学生協の取り組み
これから大変な時期を迎えますが、ひとつひとつの課題を、大学や組合員と共に解決していきながら、組合員の暮らしと魅力ある大学づくりへの貢献にむけて今後も取り組んでいきます。