2023年9月14日(木)、生活協同組合コープやまぐち第3会議室にて2023年度第1回役職員研修会を開催しました。
県生協連は研修会を毎年2回開催していますが、1回目の研修では協同組合としての事業や活動をすすめる上で基本となる考えを改めて学ぶ機会としています。今回は(一社)日本協同組合連携機構 常務理事の伊藤治郎様に講演をお願いしました。
講演テーマ 『協同組合らしさ』について考える
~協同組合のアイデンティティに関するICA声明~
協同組合のアイデンティティが研修のテーマということで県内の他の協同組合にもご案内し、県生協連加盟以外の協同組合からの参加もありました。
参加人数(Web参加を含む):66人 時間:13:00~14:30
初めに県生協連の岡崎会長が、この研修の後、それぞれの組織で「協同組合らしさ」とは何か、皆さんで考えていただくきっかけになって欲しいとあいさつしました。
続いて伊藤常務が講演され、初めの自己紹介では、日本協同組合連携機構(JCA)についても簡単に紹介されました。
アイデンティティとは自分自身をどのように認識し,他者からどのように認識されているかであるため、定期的に見つめなおし、明確なアイデンティティを持つことが事業の成功のためにも大切だそうです。
ロッチデール協同組合の成り立ちや日本での生協運動の父・賀川豊彦氏が築いてきた協同組合の歴史を経て、1895年に設立されたICA(国際協同組合同盟)は協同組合原則を定義。1995年に協同組合のアイデンティティに関するICA声明を発表。今、約30年前のICA声明 のアイデンティを議論する必要性を言われています。
なぜ、議論する必要があるのかというと、協同組合の運営が規模の拡大や効率性を求められて株式会社的な要素を帯びてきたり、組合員の顧客化や子会社化といったことに、協同組合の存在意義の再認識と現代社会における協同組合のアイデンティティ確立が必要とされていること、またICAソウル大会で指摘された、環境・社会が変化するなかで、暮らしが変化し、ひとびとの「ニーズと願い」も変化するためです。ICA声明の一つ一つの条文と議論していくべき点を説明していただきました。
論点となる事項例として、地球環境、平和・非暴力、多様性・包摂性、職員(従業員)の位置づけ、組合員の経済的参加、についてアイデンティティに追加するかどうかの解説をされました。
最後に協同組合間連携の勧めとして山口県や他県の先進事例紹介(農業・福祉・フードバンクなど)をしていただき、JCAのキャッチフレーズ「ゆるやか」~一致できる点でやろう~「あいのり」~いいなという取り組みに乗ってみる~「やってみる」~トライ&エラーで小さいことからやってみる~についても紹介されました。
【参加者の感想】
・協同組合のアイデンティティについて考えることが多々ありますので参考になりました。
・一人ひとりが考えて、考えを持ち帰り、そういう場を大切につくっていきたいと思います。
・アイデンティティへの追加項目、いずれも協同組合に寄せられた時代の要請だと思います。
・「環境」、「平和」、「多様性」を協同組合のアイデンティティに追加することに、アンケートでは「必ず必要だ」「まあまあ必要」という意見が多数でした。