山口県生協連主催 県連会員生協 役職員研修会 を開催

2017年1月26日(木)  13:00~14:30 労福協会館にて会員生協役職員研修会を開催しました。「ユニセフが支援する子どもたちの実情と私たちができる国際協力」と題して、近畿大学 社会連携推進センター教授 安田直史先生にご講演いただきました。参加者は会員生協役職員、山口県、一般企業、NPO法人からの105名でした。

大阪で外科医として働いてこられた安田先生は、2005年から2016年までユニセフの国連職員としてアジア・アフリカの多くの国で支援に従事してこられました。

講演では、ユニセフが活動していく上で肝に銘じていることとして①人道援助の原則②子どもの権利条約に基づいた人権の尊重③結果に基づいたプロセス、を挙げられました。

その中で、貧しい環境下の子どもの写真を見て、かわいそうだから何とかしてあげたいと感じるけど、誰もが生きる、育つ、などの権利を持つ者であり、それに対してその権利を全うする義務を負う者(政府や国際社会)がいることを説かれました。自分の権利を知り、主張し、意識を高めることの大切さと、権利が守られていない場合にはユニセフや国際社会が支援をしているという基本的な考え方を話されました。

医薬品、水と衛生、子ども達の遊びと教育の場などの緊急援助について、先生の現場での経験を通して話していただきました。子どもの命を守ることについて、新生児の死亡率を減らし5才までの生存率を増やすと同時に、平均だけを見てはいけない、国内格差を減らし5才以上生きている子どもたちもちゃんと育てていくことが大切だそうです。またアルビノの子ども達が間違った宗教的な呪術のために襲われていることも多く、人権問題解決の必要性を言われました。

日本にいてもできる国際協力としては、募金以外に里親制度、奨学金、投資、研究、技術開発、政策などいろいろあること、ユニセフの活動には、募金活動、広報活動、政策提言がありますが、日本人への啓発活動、特に子どもの状況や権利を知ってもらうことが大切で、日本の子どもたちに知ってほしいこと、世界は先進国だけではないことを踏まえて、それぞれ何をもって国際協力ができるのか考えて欲しいと述べられました。先生ご自身も世界の状況を知ってもらうことを手伝っていかれたいとのことでした。

参加者の感想。「権利保有者、義務を負う者の関係はその通りだと納得できた。募金以外での国際協力についても考えていきたいと思った。」「日本にいながらできる国際協力について新たな発見になったので意識を自国のみならずひろげて生活していきたいと思います」「息子には世界が広く様々な状況にある人たちがいることを伝えたいと思いました。」